先日、すごく難しいけど、面白い修理をしました。
見てください!
フェルール自体、スリット部から折れているのです!
しかもセンタースチールのロッドです!
こんな折れ方・・・始めて見ました!
修理内容は「使えるようにしてくれ!」 でした。
こんなふうにフェルール自体が壊れたのですから、
本当はオス・フェルールを新規製作するのが一番簡単なのですが、
想像してみてください・・・
メスはハーディー・スパイラルロック・フェルール
オスはフックのないステップダウン・・・
おかしいでしょう!? やっぱり
私がこのロッドのオーナーなら、イヤです!
というわけでこの”折れたフェルール”を使って修理することにしました。
実はこのロッドはセンタースチールです。
ブランクの中心に鋼材が入ってます。
あまりに熱中しすぎて写真を撮り忘れましたが、
折れたフェルールの中に残っている鋼材入の竹を取り除くのに
冷や汗をかきながら旋盤でドリリングしました。
「バキッ!パキッ!」と、時折鋼材を折りながら、少しずつドリルを前進・・・
最後はドリルを進めずに、わざと熱をもたせて空回りさせ、
中に詰まっている竹とフェルールを剥離させて・・・
うまく行きました!
でもこのままじゃ、ダメです。
スリットを切ってないフェルールもありますが、
このブランクの重さ、強さを思えば、
やっぱりパワーをピンポイントに集中させないバネのような
「スリット」部は必要だと考えました。
よし、フェルール改造!
フェルール、今の状態が①
フェルール入口をボアアップして②
ここにスリットを切ったパイプを接着③
という予定です
フェルール入口の内側をボアアップ
①の作業
その内径、長さに合わせてパイプを作ります。
弾力を考えて、スリット部は洋白(ニッケルシルバー)で作ります・
②の作業です
作ったパイプにスリットも入れました。
こんなふうになります
ブランクは折れたギリギリから使います。
フェルール内径に合わせて削ります
作ったフェルールをブランクに接着後
スリット部を仕上げます。
上手くいきました!
ラッピング、塗装を終えて完成。 (一番下の一本です)
目減りしやすい塗料を使ったので、
数ヶ月もすれば上の2本のように”糸目”も出て、
それらしくなります。
お客様も「思い入れ」が強いロッドだからこそ修理に出されるのだと思います。
現行のカーボンロッドもたまにはありますが、
ほとんどは”買い直し不可能”なクラシック・バンブーロッドです。
ですから絶対失敗できないので、すごいプレッシャーと戦いながら作業します。
今回も折れたフェルールの内ぐり(ドリリング)が一番緊張しました。
・・・もし軸がずれて、フェルールが(旋盤の)チャックから外れたら
きっと壊れて”パー”です。
・・・チャックの中で滑ったら、フェルールのフック状の部分がきっと壊れ、
やっぱり”パー”でしょう。
なんせこんな金具-スパイラルロック-なんて、手に入らないし、もう作れないからです。
にしても、面白かった!
「正確にやればできるハズ!」と
段取りを考えて、一つずつクリアーして・・・
完成すると本当に気持ちがイイ!!!
お客さんも、ロッドも喜んでくれたと思います
見てください!
フェルール自体、スリット部から折れているのです!
しかもセンタースチールのロッドです!
こんな折れ方・・・始めて見ました!
修理内容は「使えるようにしてくれ!」 でした。
こんなふうにフェルール自体が壊れたのですから、
本当はオス・フェルールを新規製作するのが一番簡単なのですが、
想像してみてください・・・
メスはハーディー・スパイラルロック・フェルール
オスはフックのないステップダウン・・・
おかしいでしょう!? やっぱり
私がこのロッドのオーナーなら、イヤです!
というわけでこの”折れたフェルール”を使って修理することにしました。
実はこのロッドはセンタースチールです。
ブランクの中心に鋼材が入ってます。
あまりに熱中しすぎて写真を撮り忘れましたが、
折れたフェルールの中に残っている鋼材入の竹を取り除くのに
冷や汗をかきながら旋盤でドリリングしました。
「バキッ!パキッ!」と、時折鋼材を折りながら、少しずつドリルを前進・・・
最後はドリルを進めずに、わざと熱をもたせて空回りさせ、
中に詰まっている竹とフェルールを剥離させて・・・
うまく行きました!
でもこのままじゃ、ダメです。
スリットを切ってないフェルールもありますが、
このブランクの重さ、強さを思えば、
やっぱりパワーをピンポイントに集中させないバネのような
「スリット」部は必要だと考えました。
よし、フェルール改造!
フェルール、今の状態が①
フェルール入口をボアアップして②
ここにスリットを切ったパイプを接着③
という予定です
フェルール入口の内側をボアアップ
①の作業
その内径、長さに合わせてパイプを作ります。
弾力を考えて、スリット部は洋白(ニッケルシルバー)で作ります・
②の作業です
作ったパイプにスリットも入れました。
こんなふうになります
ブランクは折れたギリギリから使います。
フェルール内径に合わせて削ります
作ったフェルールをブランクに接着後
スリット部を仕上げます。
上手くいきました!
ラッピング、塗装を終えて完成。 (一番下の一本です)
目減りしやすい塗料を使ったので、
数ヶ月もすれば上の2本のように”糸目”も出て、
それらしくなります。
お客様も「思い入れ」が強いロッドだからこそ修理に出されるのだと思います。
現行のカーボンロッドもたまにはありますが、
ほとんどは”買い直し不可能”なクラシック・バンブーロッドです。
ですから絶対失敗できないので、すごいプレッシャーと戦いながら作業します。
今回も折れたフェルールの内ぐり(ドリリング)が一番緊張しました。
・・・もし軸がずれて、フェルールが(旋盤の)チャックから外れたら
きっと壊れて”パー”です。
・・・チャックの中で滑ったら、フェルールのフック状の部分がきっと壊れ、
やっぱり”パー”でしょう。
なんせこんな金具-スパイラルロック-なんて、手に入らないし、もう作れないからです。
にしても、面白かった!
「正確にやればできるハズ!」と
段取りを考えて、一つずつクリアーして・・・
完成すると本当に気持ちがイイ!!!
お客さんも、ロッドも喜んでくれたと思います